~2015年以降の最新研究で解き明かす「太る理由」と対策~
梅雨の季節。外出が減り、体がむくみ、気分もどんよりしやすい…。
「なんだか体が重くなってきた」「食べていないのに体脂肪が増えた気がする」
そんな“梅雨太り”は、科学的に起こりうる体の変化によって引き起こされている可能性があります。
本コラムでは、2015年〜2025年の研究結果に基づき、梅雨太りの根本原因を解説し、室内で実践できる脂肪燃焼エクササイズと生活習慣の整え方をお届けします。
◆ なぜ梅雨は太りやすくなるのか?【近年の研究から読み解く】
1. 活動量の低下による代謝の落ち込み
梅雨時は雨による移動制限で、日常的な身体活動(NEAT:非運動性熱産生)が大きく減少します。活動量が落ちると、基礎代謝と合わせて1日あたり数百kcalの差が出ることも。
🔬【参考論文】
Title: Role of physical activity in the prevention of obesity and overweight
Authors: Chaput J-P et al.
Journal: Journal of Preventive Medicine and Public Health, 2015
→ 運動量が少ない生活が体重増加と密接に関連しており、日常の歩行や立ち上がり動作がエネルギー消費に大きく影響すると報告。
2. 気圧・湿度の影響による自律神経の乱れ
梅雨時は気圧が低く、湿度も高くなります。これにより交感神経が働きにくくなり、副交感神経優位となることで、日中の代謝が落ちてしまいます。
🔬【参考論文】
Title: Autonomic nervous function and weather conditions: a pilot study
Authors: Usui S et al.
Journal: International Journal of Biometeorology, 2017
→ 気温・湿度・気圧の変化が心拍変動(HRV)と自律神経のバランスに明確な影響を与えると確認されました。
3. 日照不足とホルモン変化による気分の低下・過食傾向

日照時間の減少により、セロトニンやメラトニンなどの神経伝達物質の分泌に影響が出ると、気分が落ち込みやすくなり、過食傾向が強まるケースもあります。
🔬【参考論文】
Title: The impact of insufficient sunlight exposure on serotonin and melatonin levels
Authors: Arjmand MH et al.
Journal: Frontiers in Neuroscience, 2022
→ 日照不足がセロトニンレベルの低下を招き、気分障害・ストレス性の過食と関連していることが指摘されています。
◆ 脂肪燃焼を促す!お家でできるエクササイズ3選
自律神経が乱れがちな梅雨こそ、「短時間×全身運動」でスイッチを入れましょう。以下の3つは、運動強度が高く、代謝が上がりやすい王道メニューです。
① ジャンピングスクワット

お尻・太ももの大筋群を使いながら心拍数を上げ、短時間で高い運動効果が得られます。
- 目安:20秒動いて10秒休憩 ×3セット
- ポイント:着地時の膝の位置に注意して、かかとでしっかり踏む
② マウンテンクライマー

体幹・腹筋群・脚部を動かしながら代謝アップ。内臓周りの脂肪にもアプローチ。
- 目安:30秒連続で動き、30秒休憩 ×3セット
- ポイント:背中が丸まらないようにフォームを維持
③ バーピージャンプ

全身運動+有酸素運動の要素を兼ねた高強度メニュー。燃焼効果は絶大です。
- 目安:10回 ×3セット
- ポイント:スピードよりも丁寧な動作を意識しましょう
◆ 梅雨太りを予防する生活習慣:研究ベースのポイント
● 入浴:温熱効果で自律神経を整える

40℃前後の湯船に10〜15分つかることで副交感神経が優位になり、睡眠の質や疲労回復に効果的。
🔬【参考論文】
Title: Effects of hot bathing on sleep and core body temperature regulation
Authors: Haghayegh S et al.
Journal: Sleep Medicine Reviews, 2019
→ 就寝90分前の入浴が深部体温を調整し、睡眠の質を高めることが示されています。
● 食事:カリウム・温かい飲食でむくみ対策

湿度によるむくみを防ぐには、体内の水分バランスを整えることが大切。
カリウムを多く含む食材(例:アボカド、バナナ、ほうれん草)はナトリウム排出を促進します。
🔬【参考論文】
Title: Dietary potassium intake and risk of stroke
Authors: D’Elia L et al.
Journal: Journal of the American College of Cardiology, 2017
→ カリウム摂取量が多い人はむくみや高血圧のリスクが低いとされ、体液調整に寄与することがわかっています。
◆ 続けられる工夫が鍵|ミニ習慣で「毎日少しずつ」
- 歯磨き中にスクワット10回
- テレビCM中にマウンテンクライマー
- お風呂前にバーピーで一汗
「やる気が出たときだけ頑張る」のではなく、毎日の生活に“自然と入る”習慣を作ることが成功の近道です。
◆ まとめ|梅雨をきっかけに、代謝を高める生活へ
梅雨の体重増加は単なる気のせいではなく、科学的な背景があります。
しかし逆に言えば、「理解し、対策すれば防げる」ものでもあります。
- 梅雨太りは【代謝×ホルモン×行動習慣】の影響で起こる
- 室内エクササイズで代謝を底上げ
- 入浴・食事で自律神経と水分代謝を整える
晴れ間が戻る頃には、スッキリした体と心で過ごせるように、今日から行動してみましょう。