こんにちは!東京都江東区のパーソナルトレーニングジム、BASICS Mです。今回は私たちの食事に欠かせないもの、"脂肪(脂質)"についてお話ししたいと思います。ステーキのジューシーさ、サーモンの滑らかさ、ヨーグルトのクリーミーさ。これらの味わいを支えているのは脂肪(脂質)です。しかし、脂肪(以下、脂質)と聞くと体に悪いもの、避けた方が良いものと思いがちです。それは一部正しく、体にとって良くないとされる脂質も存在します。しかし、全ての脂質が私たちの健康を害するわけではありません。実は、体の機能を正常に保つためには、脂質の摂取が必要不可欠なのです。今回は科学的な根拠を元に、適切な脂質の摂取量や脂質の種類について詳しく解説します。脂肪(脂質)とは何か?体内での主要な役割「脂肪」と聞くと、「避けるべき」という印象を持つ人が多いかもしれません。しかし、脂肪(以下、脂質)は私たちの体が正常に機能するために不可欠なものです。脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、脂溶性ビタミンの吸収を助けます。体温を保ち、細胞の成長と修復にも貢献します。さらに、内臓の保護やホルモン生成にも重要な役割を果たします。なぜ、脂質は悪いものと思われているの?この誤解は、1つは飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取量が多いと、心臓病のリスクや健康に負の影響をもたらす可能性があるという科学的な証拠から生じています。これらの脂質はLDLコレステロール(悪いコレステロール)を増加させる可能性があると言われています。しかし、すべての脂質が同じ作用をするのではありません。脂質の種類を理解して適切に摂取することで、健康を維持することができます。脂質の種類とそれぞれの特徴脂質は一括りに語られることが多いですが、脂質の全てが私たちの健康に同じような影響を及ぼすわけではありません。それぞれの脂質には特徴があります。一価不飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸は、適量を摂取することでLDL(悪玉)コレステロールを下げてHDL(善玉)コレステロールを上げる作用があると言われています。健康的なダイエットや筋トレの食事によく取り入れられます。食べ物:オリーブ油、ひまわり油、サフラワー油、なたね油、マカダミアナッツ、ナッツ、アボカド等多価不飽和脂肪酸特にオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸は、心臓病予防に役立つとされています。オメガ-3脂肪酸オメガ-3脂肪酸は、心血管疾患の予防、抗炎症作用、脳の健康や発育、精神健康の維持など、多くの健康効果が研究されています。また、適量を摂取すると筋肉の修復や新たな筋肉の形成を助けることも示されています。食べ物:オメガ-3脂肪酸は主に魚に多く含まれており、サーモンやマグロ、サバなどの脂の多い魚が特に多く含まれています。植物性の食品であるアマニ油やチアシード、ウォールナッツもオメガ-3脂肪酸を含んでいます。オメガ-6脂肪酸オメガ-6脂肪酸は大豆油やひまわり油、コーン油、ごま油などの植物油、牛肉、豚肉、卵、バターなどの動物性脂肪などに多く含まれています。健康的な食事の一部として摂取すれば、心臓病の予防や免疫系の正常な機能を助ける効果があります。飽和脂肪酸飽和脂肪酸は主に動物性食品(肉やバターなど)やココナッツオイルに含まれています。適量であれば体に必要な脂肪ですが、過剰摂取はコレステロール値を高くし、心臓病のリスクを増加させるとされています。トランス脂肪酸トランス脂肪酸は食品加工の工程で生成され、長期間保存可能な食品や揚げ物、マーガリンに含まれることが多いです。しかし、日本は食品へのトランス脂肪酸の量を限りなく少ない状態で使用されており、摂取量が諸外国と比べて少ないと言われています。これらの脂肪は、コレステロール値を高くし、心臓病のリスクを増加させるとされています。そのため、摂取量は極力抑えること(総エネルギーの1%以下)が推奨されています。綺麗な身体になるための脂肪の選び方脂肪を摂る際には、不飽和脂肪酸(オメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸)を重視すると良いと言われています。これらは魚、ナッツ、種、オリーブオイルなどに含まれており、心臓病のリスクを下げる効果があるとされています。特にオメガ-3脂肪酸は抗炎症作用があり、オメガ-6脂肪酸とバランス良く摂取することが推奨されています。しかし、西洋の食事ではオメガ-6脂肪酸の摂取量が過剰になりがちで、オメガ-3脂肪酸とのバランスが崩れることが問題となっています。オメガ-6とオメガ-3の比率が大きくなると、炎症反応を引き起こしやすくなることが指摘されています。そのため、これら二つの脂肪酸のバランスに注意しながら摂取することが推奨されています。脂肪の適切な摂取量とは?18歳以上の脂肪の摂取量は、カロリー摂取量の20-35%と言われています。1日2000カロリーを摂取する人は、約44-77gの脂肪を摂取する計算です。厚生労働省の「食生活指針」では、飽和脂肪は全体のカロリーの7%以下、トランス脂肪は全体のカロリーの1%以下に抑えることを推奨しています。おわりに脂質について理解し、管理できるようになることで、身体のパフォーマンス上昇と健康的な身体づくりに貢献します。パーソナルトレーニングジムBASICSMでは、健康的な生活の推進をサポートするための栄養指導を提供しています。私たちは、運動・身体づくりだけでなく、栄養摂取も含めた全体的なライフスタイルの改善を目指します。この記事が、脂質が健康やパフォーマンスにどのように影響を与えるかを理解する手助けになれば幸いです。あなたの食事選択とトレーニングパフォーマンスを向上させる一助となりますように。<参考文献>Siri-Tarino, P.W., et al. (2010). Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. The American Journal of Clinical Nutrition, 91(3), 535–546.Li, Y., et al. (2018). Dietary monounsaturated fat and risk of coronary heart disease. Circulation, 138.Aung, T., et al. (2018). Associations of Omega-3 Fatty Acid Supplement Use With Cardiovascular Disease Risks. JAMA Cardiology, 3(3), 225–234.Mozaffarian, D., et al. (2006). Trans Fatty Acids and Cardiovascular Disease厚生労働省(2020)日本人の食事摂取基準(2020年版). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html