こんにちは!東京都江東区にあるパーソナルトレーニングジムBASICS Mです。丸くて綺麗な肩を目指して、数々のトレーニングを試みた経験を持つ方も多いのではないでしょうか。特に三角筋のトレーニング、いわゆるレイズ系のトレーニングは、この目標に向けた効果的な手段として知られています。私自身も長年のトレーニング経験を通じて、さまざまな事実や知見を得てきました。その中でも、三角筋の前部・中部をバランスよく鍛え上げることで、美しい肩の形状を手に入れることができると実感しています。この度、私が日々のトレーニング指導で用いている、特に「丸く綺麗な肩」を目指すための効果的なレイズ系トレーニング3種目+ウォームアップ2種目を2部構成でご紹介します。この記事を参考に、更なる肩のパフォーマンス向上を実現しましょう。肩の構造とそれぞれの働き肩は、体の中でも非常に複雑な構造を持つ部位として知られています。肩には、さまざまな筋肉、骨、関節、靭帯が絡み合って、多岐にわたる動きをサポートしています。三角筋三角筋は、前部、中部、後部の3つの部分に分かれています。これらは、それぞれ異なる方向への腕の動きをサポートしており、レイズやプレスなどの筋トレでターゲットとされることが多いです。この筋肉が肩の形を決めると言われています。ローテーターカフ(回旋筋腱板)ローテーターカフは、四つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成され、肩関節の安定化と上腕骨の回旋動作に関与しています。これらの筋肉は、日常のさまざまな動作において重要な役割を果たします。回旋筋腱板の機能により、肩関節は広い範囲での動きをスムーズに行うことができます。肩甲骨と関連筋群肩甲骨周りの筋肉、例えば菱形筋や僧帽筋も肩の動きと形状に影響を与えます。特に、この部位の筋肉が弱まると肩の前傾や内旋が生じやすく、姿勢の乱れや肩こりの原因となります。肩トレーニング前のウォーミングアップ2種目トレーニング前のウォームアップは非常に重要で、筋肉の柔軟性を向上させ、怪我のリスクを低減するだけでなく、トレーニングの効果を最大限に引き出す鍵となります。筋力トレーニング前にウォーミングアップが必須な理由と方法の解説トレーニング前は、次の2種目を10回3セット行うことを推奨します。エクスターナルローテーションエクスターナルローテーションは、肩関節を安定させるのに重要なローテーターカフ:回旋筋腱板を活性化させ、温める効果があります。これにより、肩関節が適した位置に保たれ、トレーニング中の怪我のリスクが低減します。また、筋肉が適切に温まることで、より広範な動きが可能になり、パフォーマンスも向上します。以下の記事に、エクスターナルローテーションの詳細を載せています。参考にしてください。肩トレのアップと姿勢改善:エクスターナルローテーション【動画解説】肩甲骨の運動このウォーミングアップでは、筋肉の活動を促進させると共に、関節の可動域を広げることで、トレーニング中の筋肉の収縮を最適化します。また、正しい肩甲骨の位置を把握すること、正しい姿勢を把握することで、トレーニングの際の筋肉の使い方を意識的にコントロールできるようにします。以下の記事に、肩甲骨の運動の詳細を載せています。参考にしてください。肩のトレーニング効果を最大化させるウォーミングアップ:肩甲骨の運動【動画解説】3種レイズの根拠綺麗な丸い肩を作る上で、この3種のレイズがなぜ重要なのかを解説します。三角筋は、前部・中部・後部に分かれています。後部のトレーニングも重要ですが、特に丸い肩を作るためには前部と中部に焦点を当てたトレーニングが効果的です。その理由は、筋肉の繊維の走行とその機能を理解することで明らかになります。筋繊維の走行三角筋前部は、筋繊維が筋の長軸に沿って平行に並ぶ平行筋状の構造をしています。一方、三角筋中部の筋繊維は肩峰から始まり、上腕骨の中央部に向かって斜め下方向に走行しています。それぞれ異なる方向へ、前斜め上方、側方、後ろ斜め上方へと走行しています。筋肉が刺激される動作三角筋前部:屈曲と内転動作肩の屈曲とは、腕を体の前方へ持ち上げる動作を指し、肩の内転は腕を体の中心に向けて動かす動作を指します。三角筋中部:肩の外転動作肩の外転とは、腕を体の側方へ持ち上げる動作のことを指します。部位に合わせたトレーニング方法トレーニングは、筋繊維の走行方向に合わせ、筋肉の機能を最大限に活用することで、効率的に筋肉への刺激を与えることが可能です。具体的には、①ミドルレイズ(三角筋中部:後方)、②サイドレイズ(三角筋中部:前側)、③フロントレイズ(三角筋前部)です。サイドレイズはやや屈曲して行うため、前部も刺激されます。丸い肩をつくるレイズ3種目の基本姿勢ミドルレイズは、三角筋の中部を主にターゲットとするエクササイズです。肩甲骨をしっかりと下げ、腕を完全真横に上げるのではなく、少し前に出してダンベルを持ち上げることで三角筋中部の後方側へやや重点を置いた刺激を感じます。姿勢・準備のポイント解説脚を平行にして肩幅に開き、両足に均等に体重をかける。膝は曲げないが、伸ばし切らないように安定させる。肩は耳の下に位置するように胸を張る。肩甲骨を意識して下げ、背筋をしっかりと伸ばす。腹筋を引き締め、体の中心をしっかり保持。これにより、腕の動きだけに集中でき、不要な動きを減少させることができる。腕に余計な負荷がかからないよう、肘を少し外側にセットする。動作を丁寧に行うことで、強力なエキセントリック収縮につながる。避けるべきNG姿勢と動作首に力が入る姿勢:首が前方に突き出しているか、下を向いている状態。これにより、首や背中への負担が増加する可能性があります。また、首に過度な力は不要です。力が入らないように正しいフォームを意識します。身体が丸まる姿勢:背中が丸くなり、肩が前方に突き出ている状態。これにより、正しい筋肉の動きが妨げられ、ケガのリスクが増加します。正しい姿勢を維持することで、筋トレの効果をしっかりと得ることができます。逆に、NG姿勢は効果を低下させ、怪我のリスクを増加させるので、常に姿勢に注意を払うことが重要です。ダンベルの重量についてレイズを実施する際の重量選択は、効果的なトレーニングと怪我を防ぐための鍵となります。以下に、重量選択のポイントを挙げます。軽めからスタート: 正しいフォームを身につけることが最重要です。まずは、フォームを確認・修正できる様に比較的軽い重量を選択します。8-10回✖️3セット(セット間インターバル3分以内):フォームの習得を前提とした、 適切な重量は、8-10回のリピートを実施できる限界が目安です。最後の数回をきつく感じ、11回目が難しいと感じる負荷であれば、適切な重量と言えます。フォームを崩さない: 重過ぎるダンベルを使用すると、フォームが崩れる恐れがあります。正しいフォームを維持できる重量を選びます。進捗に応じて調整: トレーニングを継続して、3セットが終わっても余力が残っている場合は少しずつ負荷を上げて行います。適切な重量で、正しいフォームのトレーニングを心がけることで、効果的かつ安全に筋肉を鍛えることができます。ダンベルの保持方法ダンベルを握るときは、手首がまっすぐであることが理想的です。手首はまっすぐに、肘はやや外側にいくように意識します。肩関節の骨格によっては、三角筋中部への効果を高めるために、わずかに内側にする場合もあります(実際のトレーニングの感覚で調整)。丸い肩をつくる①ミドルレイズ:三角筋中部(後側)の動作解説ミドルレイズは、三角筋の中部を主にターゲットとするエクササイズです。肩甲骨をしっかりと下げ、肩の真横に手がくるようにダンベルを持ち上げることで三角筋中部の後方側へやや重点を置いた刺激を感じます。STEP1:肩〜顔の高さまでダンベルを持ち上げる息を吸って、フッと腹筋を引き締め、体幹を締めて安定させます。息を吐きながら三角筋を使って、ダンベルを顎〜肩の高さまで横に持ち上げます。ここで重要なのは、顎と同じ高さ、またはそれよりも少し低い位置で停止することです。無理に高く持ち上げると、肩関節に不必要なストレスを加える可能性があります。STEP2:負荷に抵抗しながら腕を下げる三角筋への意識を保ちつつ、息を吐きながら腕を下げます。この時、腕の速度をコントロールしながら負荷に抵抗します。腕を下げたら、反動で次の動作を始めないように1秒間ほど休止します。呼吸を整えながらSTEP1・2を繰り返します。※速すぎる動きは、不必要なストレスを筋肉に与えるだけでなく、怪我のリスクも高めます。丸い肩をつくる②サイドレイズ:三角筋中部の動作解説STEP1:ダンベルを斜め45度角度に持ち上げる息を吸って、フッと腹筋を引き締め、体幹を締めて安定させます。息を吐きながら三角筋を使って、ダンベルを持った両手を斜め45度の角度で前方へ、顎〜肩の高さまで横に持ち上げます。ここで重要なのは、ダンベルを顎と同じ高さ、またはそれよりも少し低い位置で停止することです。顎付近よりも高く持ち上げると、肩関節に不必要なストレスを加える可能性があります。STEP2:負荷に抵抗しながら腕を下げる三角筋への意識を保ちつつ、息を吐きながら腕を下げます。この時、腕の速度をコントロールしながら負荷に抵抗します。腕を下げたら、反動で次の動作を始めないように1秒間ほど休止します。呼吸を整えながらSTEP1・2を繰り返します。丸い肩をつくる③フロントレイズ:三角筋前部の動作解説STEP1:片方のダンベルを顎の高さまで持ち上げる息を吸って、フッと腹筋を引き締め、体幹を締めて安定させます。息を吐きながら三角筋を使って、ダンベルを持った片手を身体の正面へ、水平よりも少し高い位置まで上げるような意識で行うと、実際に顎〜肩の高さまで上げることができます。高く持ち上げすぎると、肩関節に不必要なストレスを加える可能性があります。STEP2:負荷に抵抗しながら腕を下げる三角筋への意識を保ちつつ、息を吐きながら腕を下げます。この時、腕の速度をコントロールしながら負荷に抵抗します。腕を下げたら、反動で次の動作を始めないように1秒間ほど休止します。もう片方の腕を上げます。呼吸を整えながらSTEP1・2を繰り返します。動画解説%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FgXyP4IlyTq4%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E動作の詳細については、上のYouTubeリンクから動画をご覧いただけます。おわりにレイズ3種のトレーニングは、正確なフォームと技術が要求される動作です。丸く綺麗な肩のラインや、日常生活、スポーツパフォーマンスの向上も期待できます。BASICSMでは、このようなトレーニング方法を基に、お一人お一人の体の構造や目標に合わせたパーソナルな指導を行っています。無料体験も行っています。実際のトレーニングの場で、私たちと一緒に理想の体を手に入れましょう。参考文献MBPT.理学療法の医学的基礎.http://square.umin.ac.jp/jptf/JPTF/docments/journal_1-1.pdfacademic-accelerator.https://academic-accelerator.com/encyclopedia/jp/deltoid-muscleオースティンカレント (著), 石井 直方 (監修).筋トレの科学.西東社.2021/11/8荒川 裕志 (著), 石井 直方 (監修).筋トレ 動き方・効かせ方パーフェクト事典.ナツメ社.2019/4/9ベンチプレス、ダンベルフライ、ショルダープレス、ラテラルレイズエクササイズにおける三角筋前部、三角筋内側、三角筋後部の筋活動を比較する内容.Yuri A. C. Campos,Jeferson M. Vianna, Miller P. Guimarães,Jorge L. D. Oliveira,Claudio Hernández-Mosqueira,Sandro F. da Silva,and Paulo H. Marchetti.Different Shoulder Exercises Affect the Activation of Deltoid Portions in Resistance-Trained Individuals.J Hum Kinet. 2020 Oct; 75: 5–14.